猫を棄てる 父親について語るとき 村上春樹
村上春樹さんのエッセイ 「猫を棄てる 父親について語るとき」です。
村上春樹さんご自身が、いつかまとまった形で文にしたかったと述べられていた父親についての作品でした。
男児の多くにとって、父親の背中は、他の年配男性と違い特別なものを感じさせてくれる。私もそうである。いつか、父を超えられるようになりたいと、いつも父の背中を追っている。
村上さんご自身にこのような感情があったのかは、不明であるが、作中の言葉をそのままとってしまえば、村上さんにとっては、一つの葛藤のような存在であったようである。
村上さんは、父の歩みを振り返る過程で、「もし」という表現を用い、父の存在・在り方・歴史が少しでも違えば、今の自分はいなかったのかもしれないと、
父親について考える過程で、しみじみと感じられていたようであった。
「結果は起因をあっさりと呑み込み、無力化していく、」